人の居場所、というのは。
時と場所と場合とで、容易く変わってしまうものだと。
此処で飛行機を降りるのは、もう五回目になる。今年。
一度目は、やっと息苦しいあの場所から逃げ出せた、と思った。
二度目、三度目とも同じで。
けどこの前は、どこか別の場所な気がした。慣れ親しんだこの場所に、慣れ親しんだ空気がない。
虚しかった。
ここはもう、僕の帰る場所じゃないのかと。
でもさっき、飛行機を降りて。
此処の空気を吸った時、俺の街だ、と思った。
此処は、僕の居場所であって。帰るべき故郷であって。
僕がいつもいるべき場所じゃない。
居場所は常に動くものだ。
ベルトコンベアを見ながら、なんかすっきりしてます。
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